3針縫うってこんな感じ(苦手な人は閲覧注意です)

2023/07/18

暮らし


夕方のキッチンで

ドク、ドク、ドク、ドク…
左手親指から、溢れ出す真っ赤な血液。

右手で皿を作り受けようとするが、床にポタポタと落ちていく。
だめだ、そこらじゅう血で汚しちゃう。

布巾を抜き取り、手に巻きつける。
すでに床は血だらけ。
まるで「現場」のようだ。
なんだってこんなに血がでるんだろう?



今日に限って、よーく包丁を研いだのが運の尽きだ。
美味しい魚を切り身に捌きたかった。


スーッ、スーッとよく切れた。
スーッ、スーッと、調子に乗って切っていた。
予期せず魚の骨にあたった包丁は、その勢いを残したまま、
左手親指に突っ込んだ…
痛みを感じる暇もなく、真っ赤な血液がふきだした。




左手にタオルを巻いたまま、考えこむ。

上手くもない包丁さばき。
調子に乗りすぎたと思ったが、後の祭りだ。

はぁ…どうしよう…


中途半端に切り刻まれた魚はそのままの姿で、まな板に横たわっている。
私が歩いた道筋どおりに、血が滴り落ちている床もそのまま。



薄い布巾から溢れてくる血液を、さらに上からタオルを巻いて圧迫した。

止まってくれーーー。



1時間ほど経った。
ずっと圧迫していたので、そろそろ血は止まったのではないだろうか。。
そっとタオルを開ける。

ドクドクドク…。

覗かれるのを待っていたかのように溢れ出す血液。
傷さえも見えない。
またギュッと抑える。



医者に行くしかないかな…


遠くに行けそうもない私。


近く、一番近くに行こう…

選択の余地はない。
安田医院だ。
皮膚科でずーっと昔からやっているところ。
車で5分もかからない。

左手をタオルでキツく縛り、手首をヘアゴムで縛り、ハンドルを握る。


おじいちゃん先生とトモエさん

無事に病院に到着。
住宅街にひっそりと建っている小さな個人病院。

手動ドアを開く。
スリッパに履き替え、待合室に入って受付を済ませる。
患者さんは他に誰もいない。








診察
「あれ、まあ、どうしました?」
よろよろと立ち上がる、真っ白な髪に、丸眼鏡、白衣をまとうおじいちゃん。

おお、この方が先生なのね。
大丈夫だろうか?
一抹のいらぬ不安が心をよぎる…


「手切っちゃって、血が止まらないんです」


「すごい血だねぇ。じゃあ、ベッドで診ようか」
「トモエさ〜ん、ベッドに案内して」
「はーい!」



トモエさんの登場だ。60代くらい?
ピンクのナース服がパツパツだが、ちゃきちゃきと動く。
「あれ、まー、やっちゃったね。どれどれ」
ベッドに寝かせて、止血パッドを敷き詰めて、傷口のタオルを剥がす。


爪付近から根元方向へパックリ割れている。
すぐに血が溢れ出す。

「こりゃ、縫わなきゃだわね。」
と、トモエさん。
「あー、縫おう」
私の傷を診て先生は、準備に行った。


「縫うんですか…」
(あー明後日から温泉旅行なのになあ…ホント運悪すぎ…)

ベッドの脇で縫合の準備をしているトモエさん。

糸、これでいいかな…     先生、縫えるかな…?


…センセイ、ヌエルカナ?…

え? え? え?


「あの…先生、縫えるかな?っておっしゃいました?」


「あ、見えるかな?って言ったの、ごめんごめん」


あ、そうかなんですか…



って、見えるかな、でも

十分、コワ過ぎますからーーーーー!




爪ですよ…

「麻酔注射を打ちますよ」
えー、この傷にさらに注射するの?
傷口に針刺されるの?

もう泣っつらに蜂? 虻蜂にやられる? 一挙両得?
ってもう、わけわからなくなっているくらい、ショックすぎた。

でも、3回目の麻酔注射されている頃には、痛くなくなっていた…

「もう痛くないでしょう?3針縫うからね。」
と先生。

U字に湾曲した糸のついた針で傷の両脇の皮膚をすくう。
両端にでている糸を結んで傷口を締め、一針目が無事に終了。
同じ要領で、2針目も終了した。
あまりの不安さに、じーっと見ている私。

「太い血管切っているから血が止まらないけど、3針目で止まるからね」


歳はとっていても、さすがお医者さんだ。

良かった、良かった…

と、思って安心していると、



3針目、

「先生!い、い、痛い!!!!」

「え?痛い? 麻酔効いていない?」

「はい!麻酔効いていないかも!」

「じゃあ、麻酔、追加しよう」

3針目を抜いて、注射を打ってくれる先生。

そしてまた、3針目に取り掛かる。

「あれ? なんか入っていかないなあ?」

「い、い、痛い!!!」

あ、先生…!
「先生、そこ、爪!爪です! 
爪から針出そうとしています!!!」


「あ、こっちは爪か…
どおりで固くて針が出てこないわけだ…。」

「ごめんごめん。」


せんしぇー…


先生のいうとおり、3針目で、出血は止まった。





気になる温泉旅行は…

今日明日は、濡らさないように、手を使わないように。


「明後日、旅行行くんです。温泉はどうでしょう?」
「温泉かね…
まあ…あんまり濡らさないようにすれば、、、まあ、いいでしょう。」
ちょっと、大いに賛成ではないような言い方だが…


トモエさんが
「傷用の防水テープ貼ってね。
お風呂あがったら、傷口よく流して張り替えれば大丈夫だから。」
と、教えてくれた。




おかさなが待っていた

家に帰るとこの暑さの中で、さかなは切り刻まれたまま、横たわっていて、床は血が散乱していた。

しかし、
「今日明日は、濡らしてはダメだし、手を使ってもダメ」
と帰り際にもトモエさんに何度も言われてしまったため、我が夫タヌ吉君に後を任せたのは言うまでもない…。






みなさま、どうかケガにはお気をつけ下さいネ!!


おわり


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自己紹介

自分の写真
https://tantanu-blog.blogspot.com アラフィフの器用貧乏たんたぬ。不運な転職数回後、司書に落ち着く。夫たぬ吉、息子タン太(現在中学1年生)と3人で築50年以上の平屋暮らし。タン太は春から私立海まち中高一貫校に入学。節約はエコ。人生はそう悪くもないなと、最近思う。

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