朝の一騒動
へんちこりんの耳障りな音楽。
タブレットのアラームが鳴り続けている。
あえてそんな音楽を選んでいるにもかかわらず、全然聞こえないらしい。
よく眠れるもんだ。
起きる気配がない…
「アラーム、鳴っているよ。うるさいよ。」
「う…ん。」
寝ながら止めた?
私は私の準備。
持っていくコーヒーを淹れる。
タン太のお弁当は、詰めて蓋を開けておく。
いつも自分で、蓋を閉め、布でくるんで保冷バッグに入れるのだ。
箸を忘れないようにね。
今日の朝食は準備してあげよう。
チーズキュウリトースト
プチトマト バジル添え
ヨーグルトみかん 蜂蜜かけ
ケガした手に包帯を巻いて、着替えをして、さあ出発だ。
タン太、まだ、寝ている。
Z z z z …
ぐっすりとオヤスミですね。
母は出勤しますぞ?
一言、声かけようかな。
「タン太、行くね」
「…… Z z z…。
・・・!?」
「え? え? え? なんで? なんで?
なんで、起こしてくれないの?」
「アラーム、がんがん鳴っていたよ。
最後に自分で止めたよ」
「ママァ………」
泣きだす。
「遅刻したって、死にはしません。
次の次の電車に乗ればいいからね。」
「うん…グスッ…」
「先生にはちゃんと寝坊して遅刻しました。すみませんでした、って言うんだよ」
「グスッ…うん」
「じゃあ、仕事行くからね。急いでも気を付けてね。」
「いってらっしゃい。」ウルウル
「行ってきます」
ちょっとかわいそうな気持ちにもなったが、
タン太には、ちゃんと自分の事を自分でできるようになってほしいから。
がんばれ、タン太くん。
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