ブルマーの怪 先生!私のブルマーがありません!!

2024/02/14

暮らし

このブログが始まり、1年の月日が流れた。
今日は一周年を記念し、ブルマー事件について書きたい。
なお一周年とブルマーには、なんの関係もない。




ブルマーとは・・・

かつて小中高等学校で女子の指定体操着として使用されたのは、このピッタリピチピチフィットしたパンツ型の履物であった。


その名も「ブルマー」



昭和の女子たちは、この恐ろしい代物の着用を強制される。


紺色が一般的だが、黒、青、緑、えんじ色などバリエーションも豊富だ。
厚めのナイロン生地でおパンツの形をしている。




体育の授業だけじゃない。
清掃時、運動会、マラソン大会、体を動かす時にはいつもブルマーだった。




昭和ブルマー物語

桜咲く春の小学校。
入学したての私。
初めてのブルマー。


「え?・・・パンツみたい。こんなの履くの?」



違うの。これはパンツじゃないの。
これは、れっきとした体操着。
ブルマーとパンツは違うのよ。


みんな履いている。
2年生も3年生も・・・。
そして、あの6年生のお姉さん達も、みーんな普通に履いている。
校庭でも、体育館でも、休み時間で遊ぶ時も、みーんなブルマー。


逆上がりもブルマー、
片足前回りもブルマー
跳び箱も、開脚前転も、
上り棒も、滑り台もブルマー。
床拭き清掃も、ブルマーで廊下をダッシュ。


ブルマー ブルマー ブルマー ブルマー
ブルマー ブルマー ブルマー ブルマー
ブルマー ブルマー ブルマー ブルマー
ブルマー ブルマー ブルマー ブルマー
ブルマー ブルマー ブルマー ブルマー・・・・




そうか、そういうもんなのか。
パンツとブルマーは、違うんだ。
疑問が薄れていく。



ブルマーは、見えてもいい!


小学生女子、ブルマー教育に洗脳されていく。




ブルマー最強

スカートの下にブルマーを履けば最強だったよね。
スカートを履いていながらも、どんな運動も制限されない。
めくれあがっても大丈夫。


「あ!パンツ丸見えっ!」


なんて言う男子には


「残念でした。ブルマーですからぁ〜〜!」


の一言で、一瞬で黙らせる事ができるのだ。


小学生男子とは単純な生き物である。
それ以上何も言えず、しょんぼりしている。





いや、パンツと何が違うのか、と今あらためて思うわ。





ブルマーの恐怖

されどブルマー
ぴちぴちのパンツ型。
上手に履かないと、パンツがはみ出ちゃうの。



フフフ、それを
はみパン
と呼ぶのよ。



お尻側からもはみ出てしまう事もあるので、注意しなくちゃね。

ヒソヒソと女子同士で教え合う
「はみパンしているよ」
ってね。



くすくすと笑われる事もあるよ。
「〇〇ちゃん、はみパンしてる・・・」
クスクス、クスクス


ああ、残酷な小学校女子・・。







そしてさらなる恐怖が女子を襲う。

後ろ姿、ブルマーの下からはみでちゃっている、お肉・・・



そう、それが

恐怖のハミケツ


この状況は、あれね、
うん、人生の終わった事を意味しているよね。

しかし、当の本人はなにも気付いていない。
悲劇と屈辱のどん底を味わう事になる。



笑う男子。
普段女子にバカにされている単純小学生男子は、
勝ち誇ったように活き活きと目を輝かせているの。
男子、この時ばかりは固い絆で結ばれてるよね。



前屈体操の直後、体育座りからの起立の時、
女子はいつも危険なトラップと隣合わせ。



はみパン&はみケツなんかしちゃったら、
そりゃもうあなた、絶体絶命、再起不能ですよ。




まあ、高学年ともなると、はみでたパンツをブルマーに入れる仕草も慣れたものですわ。
マット運動、鉄棒などの後はササっと素早くブルマーの裾をひっぱり、はみ出たものをナチュラルに且つエレガントに入れこんじゃうワケ。
まあ、ブルマー女子のたしなみってものかしら。



ブルマー事件

そんな昭和ブルマー全盛期時代。
事件は起こった!!!




それは私が小学校3年生の時だったの。
いつもと変わりない小学校の朝だった。


次は体育の授業。
昭和の小学校の着替えは、もちろん教室で男女一緒。
今の小学校みたいに、別々になんて気の利いた事してくれない。


小学校、体操着袋、給食袋、袋物は廊下のフックだよね。

かけてある体操着袋を取りに行き、自分の席で体操着を取り出す。
赤白帽、半袖シャツ、そして。。。



あれ?
ない・・・。


ブルマーがない。



忘れちゃったのかな、家に。
私は、忘物が多い子どもだった。




一人の女子が先生に言ったの。
「先生、ブルマーがありませんっ!」

すると、ブルマーがない女子たちが次々と名乗りを上げていく。

「先生、私のブルマーもありません!」

「私も、ありません!」

「私も!」


なんと、3年生女子のブルマーのほとんどがなくなっていた!!!


当時、スカートの下にブルマーを常に履くようになるのは、高学年くらいからなのね。
1〜3年生のおこちゃま女子たちは、まだブルマーを常に履く習慣がなかった。
だから、ブルマーはちゃんと体操着袋に入れて廊下のフックにかけて下校する。

そのブルマーが狙われたのだった。





担任は女性だったが、別になんの対処もしなかった。
体育や、掃除はしばらくの間、冬用長ズボンでいいと言われた。

1週間たち、2週間たち、みんなは新しいブルマーを買って履き始めていた。



問題にもならなかった。
何事もなかったかのように、ブルマー事件は忘れ去られた。




長ズボンの体操着で体育をしているのは私だけとなった。

先生に早くブルマーを買うように言われ、母に怒られ、新しいブルマーを買ってもらった。



履きたくもない、こんなピチピチフィットのおパンツを履くために。









小学校3年生の3階に、誰の目にも触れず不審者入ってこれる?

体操着袋、一つ一つブルマーだけ抜き取るってどうよ。
数十枚よ?



真実はわからぬままだ・・・。






こんな事があっても、学校は警察を呼ぶこともなかったし、なーーーーんの対処もしなかった。
今なら大事件だよね。

恐るべし、昭和。







ブルマーの消滅

ジェンダー問題、セクハラ問題、ブルセラショップでの販売の問題、
生徒会運動、シンガポールでの日本人学校での反対運動などを経て、
1990年代後半に、やっとブルマーは消滅した。






2024年、令和時代、
子どもたちは、ブルマーという言葉さえ知らないかもしれない。










「タン太、ブルマーって知っている?」

「なにそれ?お菓子?」

「それブルボンだよね。」





・・・実家には私の高校時代のブルマーが今も残っている♥






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自己紹介

自分の写真
https://tantanu-blog.blogspot.com アラフィフの器用貧乏たんたぬ。不運な転職数回後、司書に落ち着く。夫たぬ吉、息子タン太(現在中学1年生)と3人で築50年以上の平屋暮らし。タン太は春から私立海まち中高一貫校に入学。節約はエコ。人生はそう悪くもないなと、最近思う。

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