中学校 1週間経過 休み時間にはいつも一人図書館… 大丈夫?

2023/04/14

中1


中学校生活、1週間。

毎朝続いた「制服がうまく着られない騒動」も、どうにか落ち着いてきた。

ワイシャツのボタンがキツくてはまらないだの、ネクタイができないだの、ベルトが通せないだのと、ムシャクシャしながら、捻れ、よじれて、さらに大変なことになっていたタン太であったが、慣れてきたようである。

本当に着るのに30分かかっていたからね。

トレーナー、パンツでズック靴の少年時代から、ブレザーの制服を爽やかに着こなす青年に少し近づいたわけだ。

頼もしくもあり、寂しくもある。



タン太は、休み時間はいつも、一人で図書館に行っているとのこと。

入学してまだ数日、休み時間にいつも一人で図書館? 大丈夫だろうか…

少し気になってしまう、たんたぬ。


「どうして、図書館好きなの?」

「だって本が読みたいんだもの。そしてね、ソファーがあるんだ。

小学校とは違うんだよ。

静かで、ふわふわのソファーがあって、本が読めて、これで飲み物があったら最高なんだけど。

でも、飲食は禁止なんだ。残念だね」

さすが、中高一貫キラキラ学園。リッチな図書室があるのだ。

「ハハハ。そりゃ、ざんねん。面白い本、見つけた?」


「うん。バッテリーって本が面白くて、今ハマっているんだ。

でも僕は巧みたいなカッコつけ嫌だな」


あさのあつこのバッテリーか。

主人公巧は、天性の才能を持つピッチャー。

自分にも人にも厳しい。その厳しさが人を傷つけ、自分も傷つける。

母親似の端正な顔立ちに、煌めく才能。鍛え上げられた細いしなやかな体から、ストレートの豪速球。「おれの球だけを見ろよ」か。

なんともカッコよく描かれている。

その速球を受け止めるのはキャッチャーの豪。

人を受け入れる懐の大きさを持ちながらも、巧の才能と鋭さに戸惑う。


巧と豪、この対比がたまらない。



ちょうど、今のタン太くらいの年齢の少年たち(小学校を卒業した春休みから中学生時代)を描いている作品だ。



「ハハ。ママも巧は、カッコ良すぎと思うね。」

「じゃあ、誰が好き?」

「そうだなあ。巧のじいちゃん、なんていいな」

「お!ママ、シブいとこついてるね。

僕は青波かな、まだ1巻だけど。 かわいいからね」


また、本話で盛り上がってしまっていた。


「学食で、カツ丼が食べてみたいんだけど、いい?」

「いいよ。カツ丼かあ、いいなあ」

「とっても美味しそうなんだ。来週行ってみるね!」


心配しなくとも、タン太は一人行動を楽しんでいるらしい。

私もふらっと一人旅を楽しむような気性であるが、似てるのか?



「僕にね、すごく、ちょっかいかけてくる奴がいるんだ。

つついたりね、GWT(グループワークトレーニング)の時とか、消しゴムのクズを僕のノートの上に乗っけてくるの。ほっといて欲しいのに」


「もしかして、その子、タン太と友達になりたいんじゃないの?」

「じゃあ、嫌なことしなければいいのに」

「きっかけが欲しくて、絡んでいるとか」

「でも、僕、そんなはっきりと言わない人、嫌いだな。

友だちになろう!って言えばいいのに。」



「まあ、そう言わずに…。最初は最悪でも、後でいい友だちになることだってあるよ。

ママも昔、初めて会った子と、ものすごい大喧嘩した。

でもその後、その子とめちゃくちゃ親友になったんだよ。」



それは私が小学生の頃の話だ。

水泳部だった私は顧問の先生が来るまで、屋外プールで練習メニューをこなしていた。

そこにいたのが、もう一人、渡部(仮名)

課せられたハードなメニューを、ひたすらに泳ぎまくる、2人。


その瞬間、ものすごい取っ組み合いの喧嘩がはじまった。

他でもない、小学生女子、私と渡部だ。


陸上でも喧嘩は苦しいが、水中はさらに苦しい。

水底で、羽交締めにされる。息ができない。しかし同時に相手も酸素が必要だ。

水面に上がる。チャンスだ、息ができる! 反撃だ!

沈め、沈められ、抑え、抑えられ、酸素を求め水面へ脱出!

毎日何kmも体の限界まで泳ぐトレーニングを積んでいるため、私たちの肺活量、腕力、体力は相当なものだ。(特に渡部は強化選手だった)

そんな2人が水中で本気の喧嘩をした。

凄まじい取っ組み合い。息はできない、水を飲む、お互い鼻血が流れている、ものすごい死闘だった。



なぜそんな喧嘩になったのか、 …覚えていない。

そして、どうしてその後、一番の仲良しになったのか、 …覚えていない。

水中での喧嘩で、「やけに強いやつに会ってしまった」と思ったことだけは、覚えている。


そんな喧嘩、今の子は、誰もしないよね。

ってか、昔も女の子はしないか。


渡部、どうしているだろう。

小学校を卒業した後、転校してからわからない。




昔の話だね。

やっぱ友だちっていいよね。

私、あんまり友だちいないんだ。

そして、この歳になると、ああいう友だちってもう、できないね…。



タン太は中高一貫だから、6年間一緒だ。



よき友は財産だ、

…と思う、たんたぬだった。




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自己紹介

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高齢出産一人っ子育児中のアラフィフたんたぬ。不運な転職数回後、司書に落ち着く。夫たぬ吉、中高一貫校の息子タン太(現在中学2年生)と3人で築50年以上の平屋暮らし。節約はエコ。人生はそう悪くもないなと、最近思う。

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