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重症の春季カタルの息子を持つ たんたぬ。
角膜を損傷し、学校に行けなくなってしまった、タン太。
当時、他の人の体験を読みたかったけれど、ほとんどなかったので書いてみることにしました。
このブログが誰かの役に立ってくれたらいいな。
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大学での診察の結果、タン太の角膜の傷が学校へ行けるくらいまでになるには数ヶ月かかることがわかった。想像以上に長期におよぶ。
あぁ、これ以上仕事を休むことはできないし、どうしよう…。
タン太を、実家にあずかってもらうしかないか?
しかし、私の実家は、犬ファースト家。
犬アレルギーで白目がブヨブヨに膨れてしまったことが!
絶対に、ダメだ。完全却下。
タヌ吉実家なら、どうだろう?
タヌ吉の実家は、お義母さん一人。
ここからは車で20分程。
おまけに家が ものすごくきれいで埃一つない!
お義母さんの掃除力には尊敬ものである。
近所で短時間のパートをしていて、お昼休みは自宅でとり、また職場に行っている。
夫タヌ吉は実家近くの職場であり、終わるのは8時位。
タヌ吉もそのまま一緒に実家に滞在すれば、タン太も安心だ。
ここはぜひ、なんとか、お願いしたい‼︎
1ヶ月以上は確実にかかる滞在になってしまうこと、
真っ暗闇にしないと、痛がること、
薬は自分でできるようにする、
などをタヌ吉が伝えた。
タン太の病気を治すためならと承諾してくれ、タン太はタヌ吉実家に滞在させてもらうという事になったのだった。
(お義母さんに、選択の余地もなかったのだが…)
私は毎日仕事が終わるとそのままタヌ吉実家へ通い、夕食前に自分の家に戻る生活に。
タン太は私が来るのを心待ちにしていてた。
満面の笑みで「ママぁ!会いたかったよーー!!!」と嬉しそう。
タヌ吉お義母さんは
「タン太ちゃん、いい子にしてママ来るの待ってましたよ』
といつも言ってくれた。すごく穏やかな優しいお母さん。
いつも動きまわっているイメージ。
ゆっくりと座ってテレビを見て寛いでいる姿を見たことがない。
だから家がいつもピカピカなのかな。
ホント、学びたい。
短い時間でも、かわいいタン太と過ごすのが楽しかった。
本を読んであげたり、おやつを食べたり、一日のお話をしたり…
よく、ブルーベリーをお土産に買って行った。
「ブルーベリーは目にいいんだよ」
タン太はフルーツが好きだから、喜んでよく食べていた。
タン太はステロイド治療が効いてきて、わずかずつではあるが目の炎症が治まってきた。
太陽光の下へは出られないが、薄暗い部屋でなら、なんとか目を開けられるようになると、
タヌ吉実家で一人、何をしていたのかといえば、工作。
チョキチョキ、ペタピタ、ビリビリ、チョキチョキ。
お義母さん「タン太ちゃん、この切り落としたのはいらないね?捨てようか」
「ううん、おばあちゃん、それここにつけるの。」
チョキチョキ。机の下へポトポト。
「これは、捨てようか?」
「ダメダメ。それも使うの」
いつのまにか、あのきれいなおばあちゃんのお部屋が、だんだん散らかってきていた。
しかし、優しいおばあちゃん。私が行くと
「今日もタン太ちゃんは一人でずっといい子に工作してましたよ。」
「ママ!今日は面白いマシン作ったんだよ!一緒に遊ぼう!」
段ボールだの、めくったカレンダーだの、お菓子の空箱だの、発泡スチロールだのを利用し、特大マシンを作成していた。
その作品もすごいが、部屋も、すごいことになっていた。
お義母様、ごめんなさい。
ママだったら、発狂しちゃうよ。
お義母さんの素晴らしさに甘えていた日々だった。
その頃、タン太と毎日毎日文通していた。
家に戻るとタン太の手紙がポストに入っていて、それを見るのが楽しみだった。
その中に入っていたメッセージ。今も図書館の机の脇にこっそり貼ってあるよ。
これもお手紙の中に入っていた、御守り
「ちっちゃな、タン太」
一つは図書館のパソコンラックに、もう一つは車に貼ってあるよ。
発泡スチロールの梱包材で作ったんだって。
消しゴムは大きさの比較用
たんたぬの生活
仕事が終わるとそのまま、タヌ吉実家へタン太に会いに行く。
近くのスーパーでブルーベリーを買う。
高いな。でもタン太好きだからな。あの子の嬉しそうな顔がたまらないんだ。
(今でも「ママ、また買って!」と言われるけど、
「あれは高いから特別な時だけだ」と即却下する、たんたぬ)
到着すると、タン太の喜ぶ声。
そしてタン太の工作と、そのお部屋の散らかりに驚く。
タン太の破壊力、おそるべし。
お義母さん「作品、どれかママにあげようか?」
タン太「作り中だからまだなんだよ」
たんたぬ「ホッ…良かった」(心の声)
夕食前に自分の家に戻る。
(なぜ、タン太も一緒に帰らないのかというと、タン太は光に当たることができないため、朝晩の移動が不可能なのだった)
車で 20〜30分位の所だが、ちょうど渋滞の時間に重なる。
家につくと、ポストにタン太の手紙が届いている。
これが楽しみ。
すぐにシャワー。お風呂は面倒。
シャワー後、冷蔵庫直行、オープン!
冷えた缶ビールの栓を開ける
プシュッ! ゴクゴク、プハー!!!
最高!
キュウリ1本、トマト1個、ハム、チーズ、以上。
毎日同じ。
一人だと、何にもしたくない。
包丁で切るとか煮るとか焼くとか、イヤだね。全くしたくない。
そもそも自分のためだけに、料理をするという発想がない。
タン太が幼稚園行きだした時のことを思い出す。
それまでは毎日簡単なお弁当(おにぎりとか、サンドイッチとか)持って、一緒に親子サークルへ通っていた。
タン太の給食が始まると、私はお昼一人。
何を食べたらいいか、わからなくなった。
働いていた方が、まともに動ける。
家にずっといたら、ずっと何もしないかもしれない…。
そしてビール片手にタン太に手紙を書く。
どんなこと書いたか、忘れちゃったな…飲んでるしな。
海まち図書館のことだろうか、来てくれるたくさんの子供たちの話かな。
図書館の子どもたちの話聞くの好きだしなあ。
タン太は、手紙を缶の箱に入れて全部とっておいてくれている。
今度見てみよう。
夜は本を読んだ。
たくさん読んだ。
本を読むのは好きだし、仕事だしね。
その頃読んだ本で
一木ケイの「1ミリの後悔もない、はずがない」
すごく良かったな。
この本の話書き始めたあら、本話で長くなっちゃったんで、
別の記事に移動。
星野道夫も読んでたなぁ。
旅にでたくなったりしてた…
おっと、また、星野道夫で長くなっちゃう。
ハハハ。ホント、ブログ初心者で…😅
そんなわけで、タン太は、4年生の夏休みまで3ヶ月ほど、おばあちゃん家にお世話になった。
いままでのおはなし
押してくれたら嬉しいです。
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