いよいよ勝負の日だ。
決戦が始まる。
今までのお話
1話 USJ ワンデー・スタジオ・パスが買えない悲劇
2話 USJ チケットが取れなかった後…(泣)
3話 USJ 恐るべし
USJは午後2時に出発しなければ飛行機に間に合わない。
2時までの間に
スーパー・ニンテンドー・ワールド
ハリーポッター
この2つを楽しみきれるか!
タン太とたんたぬ母息子は、固く肩を組み団結した!
タイムリミットは2時まで!!
(注 スーパー・ニンテンドー・ワールド入場30分後には夕方などの遅い時間指定の整理券しか入手できない場合もある。せっかく開演前に並んでも、後ろの方であれば30分はかかってしまい、その間に、早い時刻の整理券がなくなる。それどころか、開演してすぐに整理券配布終了になることもありうるのだ!!)
朝、4時半。天保山のゲストハウスを後にする。
3月の終わりのこの時間はまだ暗く肌寒い。キャリーケースを引きずる音が、人気のない大通りに響き渡る。大阪港駅は歩いて数分。まだシャッターの閉まった駅の入り口で待つ。
シャッターが開くと同時に駅構内へ。
始発 生駒行き 5:11
2つ目の駅「弁天町」で降り、JR線に乗り換え、西九条駅へ。
決して間違えないように、たまに地元らしき人に聞いて教えてもらう。
西九条駅で5:19ゆめ咲線乗り換える。
すでに多くの乗客たちが一緒の電車に乗っていた。
朝の5時の始発電車。ファミリー感にあふれて過ぎてはいないか?
チミたちもやっぱり、ゆー・えす・じぇい's?
そして私たちフレンズ?
略してUSJF?(訳わからんくなっている)
おお!!勇者たちよ!
早起きして、始発に乗った戦友たち
心の中で団結する
がんばろうゼ…
ユニバーサル駅 5:24到着!
電車のドアが開くと、一斉に乗客が飛び出す。
出遅れた!
決戦の火蓋は気付かぬうちに、すでに切って落とされていたーっ!!!
我先にとJRの改札を出る。
出た途端、一斉にUSJゲートに向かって、まっしぐら!
走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。
走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。
走る〜〜〜〜〜〜〜ぅぅっ!!!!!
その数、数百人?千人?
ゼィゼィ、ハァハァ、
た、体力が続かない。
足がもつれる。
ゼィゼィ、ハァハァ、
小型とはいえ、キャリーケースが重い。
「走らないで下さーーーい! 走らないで下さーい!」
U SJのスタッフの方が、大きな声で叫んでいる。
しかし、誰一人として気にすることもなく、我先にと走り続ける。
恐るべし。恐るべし、USJ!!!
暗いうちから始発に乗り最速を考え何度も乗り換えここまで来たのに、ここで大勢の人びとに越され一番後ろになってしまうのは、誠にもって無念である。
しかし、状況は皆同じ。
一人でも抜けと言わんばかりの凄まじさ。
USJという、輝かしいアミューズメント施設を前にして、
巨大恐竜から逃げ惑う群衆を連想させる、死に物狂いの形相。
全く相反した光景である。
ゼィゼィ、ハァハァ、ゼィゼィ、ハァハァ、ゼィゼィ、ハァハァ。
「タ、タン太…! …ゼィゼィ、マ、ママは限界… 先に…先に行って ゼィゼィ、ハァハァ」
「うん!ママ、僕、走る!」
タン太は大きく頷く。それを見て、まかせたと大きく頷く、たんたぬ。
母息子で団結し合った感動のアイコンタクトの瞬間。
キミに、全てを、たくしたぞ!
息も絶え絶え、到着した。
もうすでに数百人の人びとが、ゲート前に待機していた。
(ゲート門前の真ん中を空けて、左右に分かれてびっしりと並んでいる)
(6時位の写真)
タン太が走ってくれたおかげで、私たちは前から約50m位の所に位置した。
それでも、前にはすでに何百人はいる。
後ろにもたくさんの人びと。(混雑時の待ちは数千人との統計もでている)
タン太を残し私は、キャリーケースとタン太のリュックを、コインロッカーに入れに行く。ゲート左のイーストロッカーを利用した。
イースト・ロッカー
小 500円
大 1000円 500円 2枚(両替機あり)
遅くなるとロッカーも無くなり、行列になって預けている人々を目の当たりにした。
そして、USJの前のローソンへ朝食を買いに行った。
が、売り切れ状態でガラーンと何もない。
唯一残っていた、最後の玉子サンド1つをタン太と分けて食べた。
(来る途中に買ってくるのがおすすめ)
タン太と二人、人ごみの間からスタジオ内を食い入るように見つめ、
何度もYouTubeや地図を見て確認した動線をシミュレーションした。
7時になった。心踊るUSJの音楽が辺りに鳴り響く!
入場か?!入場できるのか???
わわわ、めっちゃワクワクするよーーー。
「みなさま、おはようございます。
ただいまより、エースJTBスペシャルプログラム アーリーパークイン専用ゲートをオープンします!」
「それでは、オープン」
アーリーパークインのチケット、それは一般客より早く入場できるエースJTBが出しているチケット。
あ、あ、あ… VIPな方々が、どんどんどんどん、どんどんどんどん入っていく…あ、、、、、どんどん、どんどん、どんどん 入っていく…
スーパーニンテンドーワールドが、遠ざかっていく…
ふと横をみると…これがまた、タン太の、遠くを見つめている悲しい目…
スーパーニンテンドーワールド…狭き門。
入場整理券、取れるだろうか…そして、2時のバスに間に合うのだろうか…
7:15
荘厳な音楽が鳴りだす。ワインレッドの制服に身を包んだクルーらが、一斉に並び、一礼してにこやかに群衆に手を振る。
気高い音楽、クルーらの慣れた身のこなし、感動のモーニングセレモニーだ。
「みなさま、おはようございます。
ユニバーサル・スタジオ・ジャパンへようこそ!
これより、メインゲートがオープンします」
クルー達は笑顔いっぱいに、メインゲートの柵を開ける。
列が進みだす。チェックインが済んで、ゲート入った人々は…
ダーーーーッシューーーー!!!!
走る、走る!!! ああ、やっぱり、また走るのか?
やっと順番が来る。カバンの中を見せて、QRコードを提示しチェックイン。
何度も何度も、シミュレーションした2人の役割分担。
整理券前の、フリー入場をめざすんだ!
でも、入場制限がかかり、整理券が配られ始めた段階で、タンは発券所へ。
私はアプリから整理券を取る手はずだ。
頑張ろう! 母息子、頷きあう。
手荷物チェックを終えた後は、みんな
走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。
走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。走る。
走る〜〜〜〜〜〜〜ぅぅっ!!!!!
これがまた、全員、全力疾走で走りまくる。
クルー達が
「走らないでくださーい!」
と全身で叫んでいるのもなんのその。
もう、こんなに全員全力で走っているのだ。
ここで、優雅に歩くなんて誰ができようか。
呼吸が苦しくなり、足がもつれてきて、少し歩く。
すると、どんどん、後ろから追い越されていく。
みんな、一生懸命走っている。
そうだ、ここで止まったら、この前でラインが引かれてしまうかもしれない!
走る走る走る。2時には関空へ出発しなくてはいけないのだ。
1分1秒が血の一滴!
息の続くかぎり、体力ののあらんかぎり走った。
もしも、私の目の前で、運命が変わってしまったら…
たんたぬ、悔しくって悔しくって、死んでも死にきれない!
所々ポイントで、スタッフの方々が「まだ整理券なくても入れます!」などと案内をしてくれていた。
全員そろっての入場ということなので、やはりすぐに入りたければ、一緒に走るしかない。
走りに走った先には…
夢のスーパー・ニンテンドー・ワールド!!!!
整理券なしでの入場が達成できた!
この時の時刻 7時半。
(入る時は時間がなかったため、出るときの写真)
タン太のキラキラ感はMAX!
僕、本当に、来れて良かった!!!
「これ、YouTubeで何回もみたよ。本当にあったんだね!」
マリオカート 〜クッパの挑戦状〜
ヨッシーアドベンチャー
2つのアトラクションを、楽しむことができた。
スーパーマリオの世界観がそのまま表現され、中に潜り込んでしまった気分になる。
ゲームで遊んでいた世界が実際に自分の目の前に広がるなんて、楽しくって仕方ないだろう。
(このクッパはものすごい迫力で、びっくり‼︎)
スーパー・ニンテンドー・ワールドを待ち時間もほとんどなく十分に楽しみ、
出たのは9:30だった。
タン太よ、母の勤めは果たした。
長い長い、道のりだったのぅ。
チケット売り切れちゃったり、前日にUSJまでリサーチに来たり…
今日は真っ暗な中、宿を出て、電車を乗り継ぎ、走りに走って、やっと、やっとここまできたよ。
燃え尽きた…真っ白な灰に…
もう、何も、思い残すことはない…
と、いうことで、ここからはたんたぬが行きたかった、ハリーポッターへ。
ここで、ミートパイを3つ買う。(待ち時間、約45分)
なんでも待たなければならないんだよね。
ホグワーズTM ・ミートパイ 1個 600円
(USJ公式サイトより)
サクサクしていて、熱々で、結構、美味しかった。
フライト・オブ・ザ・ヒッポグリフ (10時半の時点で、2時間半待ち)
(USJ公式サイトより)
実はタン太は大の怖がり。絶叫系は絶対嫌がる。
しかし、たんたぬは、絶叫系が大好き。
こちらのアトラクションは、そこまで怖くない、ファミリー系だというので、
頑張って一緒に乗ってもらった。
タン太は、怖くて怖くてギャーギャー言っていたが、たんたぬ的にはやっぱファミリー系だねという感想。でも2人で乗れるものがあって良かった。
こちらは屋外のアトラクションであるため、屋根のないところで待つことになる。
3月の終わりの昼時、日差しは結構強い。
帽子がなくて辛い人は頭にタオルをかけてしのいでいる人もいた。
水飲み場は、1ヶ所設置されているが、各自でも用意しないと大変だ。
ここまでで、1時位。いい時間になった。
最後にこちら「オリバンダーの店」
(USJ公式サイトより)
案内され暗く怪しい小部屋へ入っていくと、そこは魔法の杖を売るオリバンダーの店。
古びた棚から選び出される、魔法の杖。
しかし杖は、素直に言うことを聞いてくれない。
さあ、ぴったり気の合う杖と巡り会えるのだろうか?
参加型アミューズメントの、不思議あり、笑いありの楽しい演出だ。
こちらに参加したら、思わず、自分だけの魔法の杖が欲しくなってしまうにちがいない。
13:50
私たちの終わりの時間が来てしまった。
敷地内に鳴り響く音楽と、人びとの楽しそうな声を後に、バス乗り場へ向かった。
14:10発のバス、15:30には関西国際空港だ。
ドタバダばかりの旅だった。
ママがヘマして、チケットが買えなくなってしまった日、
キミは泣きながら言った。
「うん…ママずっとスマホして、がんばってたの知っている。
もう、泣かない…ママが、かわいそうになるから、もう言わない…うううっ」
ごめんね、タン太。
あの日、キミは、一度もママを責めなかった。
子どもだとばっかり思っていたキミが、なんだが大きく感じたよ。
さあ、飛行機が離陸する。
さよなら、大坂!
上空からみえたユニバーサルスタジオジャパンは遠くとても小さい。
私とタン太のたくさんの思い出で、夕焼けの空にずっとキラキラと輝いて見えていた。
応援してくれたら嬉しいです。
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