2023.8.3
(写真)イタリアは路上駐車がデフォルト。
中国経由で苦労の末やっとイタリアの地を踏んだ私と中1息子タン太。
夏の夜の熱気の中、甘く酸っぱい臭いを嗅ぎながら今夜の宿へ行ったのだった。
ブラシ付きの清掃車が朝の道路を大清掃!
そして、翌日、早朝のローマ。
やっぱり道路脇はゴミだらけ…
しかし、ローマの清掃局も負けてはいない!
道路脇のゴミも一気に清掃できる便利な車が大活躍!
掻き出して吸い込む!
ストリートスィーパーって言うんだって。(Street Sweeper)
コンテナいっぱいになり、溢れ出しているゴミも、トラックがきて集めて回っていた。
テルミニ周辺の路上生活者
早朝のテルミニ周辺には、たくさんの路上生活者が段ボールを敷いて寝ていた。
特に地下鉄へ降りる入口階段を寝所としている人が多く見られる。
夜間は地下鉄の運行がないし、雨風を凌ぎ、朝の光も直接差し込まない。
過ごしやすい場所なのだろう。
朝になっても、階段の両脇にかなりの人が横たわっていた。
周りにはたくさんのゴミやアルコールの瓶や缶が散らばる。
独特の匂い。
私は、視線の片隅に入れながらも、足早に通り過ぎようとしていた。
徒歩で散策
我がレインボーゲストハウスはテルミニ駅へ5分位と立地はとてもよい。
午前中は歩いて散策する。
コロッセオまで20分ほど。
旅行中の20分って、すごく近く感じるから不思議だよね。
これが家のまわりだったら5分だって歩きたくない。(車生活の私)
タン太はバールで甘ーい朝食をたっぷり食べて大満足。
ゆっくりとカプチーノを飲んでと。
さあ、ローマの1日が始まるよ!
(明日はフィレンツェへ移動の予定)
中心地サンタ・マリア・マッジョーレ教会
歩いていると、鐘が鳴り響いてきた。
荘厳な反響音が、街を包んでいる。
セキュリティーチェックを受け中へ入る。
すると、ああ、なんて美しい…
と、見るもの全てに感動していた(午前中)
コロッセオ
そこからまた、てくてく、ふらふら、ローマの街並を見ながら歩く。
タン太に「地図をみながら案内してね」とスマホを渡す。
(中1男子はこんな事が大好きだ)
広々とした公園を歩く。
たくさんのハトがのんびりと楽しそうに芝生でエサをついばんでいる。
ヤバい…
「タン…」ひとあし遅かった。
「ダァァァだだだだぁぁぁぁっっーーーーーーーッ!」
芝生のハトの群れの中にダッシュするタン太。
逃げ惑うハトたち。
それでも走りまくるタン太。
一斉にハトの群れが飛び立つ。
一羽の低空飛行のハトとぶつかりそうになる。
「ちょっとーーーー!やめなさいーーーー!!!!」
公園の木々を抜けると目の前に現れたコロッセオ。
「あぁ、やっと、イタリアに来たんだ…」
「囚人や猛獣が闘って殺し合うのを、ローマ市民たちは見物していたんだよね」
歴史で習ったというタン太。
「タン太だったら、そんなの見たい?」
「絶対、やだ!」
壮絶な死闘に熱狂する市民。
ここで、水をはって船を浮かべてアザラシを巻き込み殺し合うという見世物までしたという。
人間の本質とは残酷なものなんだろうか。
2千年の歴史に圧倒されていると、
「喉渇いた。」
と、タン太。
8月のイタリア。
太陽の威力が半端ない。
持ってきたペットボトルも空になってしまった。
イタリアでは自動販売機もない。
「Hi. Chao! Water? €3 Water?」
(ハイ!チャオ!3ユーロ 水どう?)
冷たそーなペットボトルを持って、あやしい水売り男?が近づいてくるではないか。
見れば周りには、クーラーボックスからキンキンに冷えたペットボトルを出して、観光客に売りつけている水売り男がたくさん歩き回っている。
冷え冷えの水は、最高にうまそう。
真夏のローマで、実に賢い売り方だ。
でもさ、ペットボトルの水1本に3ユーロはね…(480円)
断ると
「じゃあ、2本で5€」(800円)
「ノ〜!」
去り行く私たちに
「ベリーチープ! €5 ベリーチープ!」」
とまだ呼びかけている。
コロッセオ周辺では、アジア風の扇子だの、小型扇風機だの、写真撮影だの、おもちゃだの、観光客を相手に商売をしている男たちがウロウロと近付いてくる。
しつこいが、そんなにタチが悪いわけでもない。
断ればいいだけの話だ。
男たちも他国から来て大変なのだろう。
少しでも現金収入があればと、こんなに暑いのに頑張っている。
しかし私も、そんなに高い水は買えないのだ。
やっぱ、スーパーは神!
コロッセオの脇にスーパーマーケット発見!!
カルフール エクスプレス フランスが拠点の24時間のスーパー
中に入ると涼しくて、涼しくて。
真夏のローマを歩いてきた後のスーパーマーケットは天国だった。
こんな観光地にスーパーとはありがたい。
冷えた水、ジュース、そしてビールも!
種類豊富なチーズや、ハム、いろとりどりの果物に野菜、パン、
イタリアのめずらしい食材に目を輝かす私たち。
「好きなもの選んでいい?」
とウキウキのタン太。
私もビールを見つけて、かなり有頂天。
お買い物ターイム!!
ショーケースの数々のお惣菜に目を惹かれる。
パニーニにはトマトにバジル、玉ねぎスライス、チーズ、生ハムにオリーブがこれでもかとたっぷりはさまれている。
「パンを食すのではなく、挟まれている具を食すのだ」
とはこのことか。
気がつくとタン太、何も臆する事なく、すでに注文している。
絵に描いたような、白いコック帽をかぶっている、愛想の良い太っちょのコック。
タン太が指差すパニーニを、素手でつかんで、紙袋に詰める。
なんともイタリアを感じるね。
おまけに、そんな高くないのね。
っていうか、昨日からふっかけられすぎて、マヒしてる?
デリ類も€3程
水は1リットルでも€0.8
ビールは€1.5
(昨夜、バングラデッシュの店で€5と言われあきらめたビールだ)
たんまり買い込んだ。(フフフ、ビールが重いわ❤️)
一旦宿に戻って、昼食にしよう!
悩むタン太
帰り道に歩きながら、ふと気づいた。
コロッセオの周辺の道は、道にゴミが落ちていない。
タバコの吸い殻もほとんどなく、落書きもなかった。
きちんと整備された治安の良さを感じる。
路上生活者も見かけない。
「ここら辺はきれいだね。治安がいいのかな」
と私がいった。
「チアンってなに?」
「治安が良いってのは、みんなが、マナーや秩序を守って、安心できるってことかな。」
「そんで、治安が悪いってのは、その反対で決まりを守らない人が多くて、ゴミはどこでも捨てるし、犯罪も起こる可能性が高くなる」
うーん。説明難しいな…
「ふーん…」
わかったような、わからないような顔をしているが…
「日本はチアン、いいね。
財布をポケットに入れていても、すられたりしないものね」
とぽつりと言う。
そうか、イタリアに来る前、タン太にいろいろ話したものね。
貴重品は絶対にポケットに入れないこと。
人ごみや電車や地下鉄では、バッグは前に持って注意していること。
そしてまた、聞いてきた。
「あの道で寝ていた人たちさ…また今日も道で眠るのかな」
タン太もなんかいろいろ考えていたのか。
「あの、水売っていた人はさ、家がないの?」
「あの人たちは、きっと家があると思うよ。
イタリアはいろんな人がいるんだよ。
他の国から出稼ぎにきている人とか、
失業して住む家を失った人や、働きたくても働けない人、
コロナ渦の影響で職を失った人もたくさんいるってニュースで聞いたよ。
日本もそうだったよね。
アフリカからはたくさんの人が難民として小さな船で命がけでくるよ。
でも、ここでも職がなく、いろんな難民問題も起きている。
いろんな事があって、いろんな事情の人がいる」
「…生きたいって思うかな」
「みんな一生懸命生きるしかないんだよ」
タン太も、いろんな事を見て複雑な思いを抱いているらしい。
私も、結局自分もわかっていない、目を逸らし生きている。
こんな本もあるんだね。読んでみたいな。
そんな話をしているうちに、
治安の悪そうな落書きだらけのテルミニ周辺の裏通り、レインボーゲストハウスに到着だ。
さあ、買ってきた美味しそうなご馳走を食べて一休みしよう。
様々な思いを胸に、旅は始まったばかり…
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