落ち着きがない、忘れ物が多い、物をよくなくす、キミ

2023/10/11

中1



「病名をつけるならば、ADHDです。」



5年生の終わりの春だった。
お医者さんは、テーブルをはさんで私たちにそう言った。
そして、その特徴をいろいろ説明してくれていた。


「特徴として、気が散って集中できなかったり、ミスが多かったり、なくし物が多かったり…」



聴きながら、
クルクル、クルクル、座っている椅子を回し続けている…
「タン太」
と小声で注意する。


気が散る、物をなくす、じっとしてられない、ミスが多い、片付けられない…
あ〜、でるわ、でるわ。
「ADHD」タン太の性質の宝石箱やーー!


「薬を出すこともできますが、どうしますか」
「あ…いえ…今はまだ…。薬飲む?(タン太に)」
聞いていない。

「ほらタン太、椅子クルクルしないの」
タン太
「はーい!」(ピタッ)

「薬飲む?」
タン太
「う〜ん、いらないかな」(イスをクルクル)

「止まれる?」(クルクル)

「止まれるよ。」(ピタッ!)

「タン太くんが困らなければ、飲む必要はないよ。」
と医者はにっこりとタン太に言った。


「成長するにつれて、ちょっとは落ち着いてくるものでしょうか」
と尋ねてみた。
「いや〜そのまま、おっきくなりますね〜!」

医者 ハハハ
母 ハハハ


「また椅子クルクルしてるし〜」
タン太
「一回転してないもん。 150°くらいだもん!」



ま、それは、そういう性格なのだ。




繰り返し 繰り返し、くりかえし くりかえし、
クシカエシ クリカエシ タ  日々。

同じ事を、何回も、何十回も、何百回も…


でも、言われた事ができない。
ま、それは、そういう、性格なのだ。


でも、たまに母は激怒してしまう。
何度言っても、何度言っても、、、
たとえば、床一面に夜逃げの後のように荷物が一面にバラまかれている、
たとえば、勉強しながら突然に歌い出す、
たとえば、ずっとイスをクルクル、キコキコして止まらない…
たとえば、教科書ノート一式、学校に忘れてくる、または家に忘れていく


怒怒怒、激怒!!!!(とくに物が床に投げ散らかされている時)
「何度言ってもできないなら、言うの無駄だよね。もう言い続けるのも疲れてしまった。
全部捨てるから!!!!早く自分で別の家に住みなさいっっ!!!!!」
とありったけ言って、ソファーでふて寝する母。


「ママ、ごめんね。これから気をつける…」


ごめんね、タン太。

なんも悪くないのにね。
(いや、悪いか?)




それは、そういう、性格なのだ。


ね。
走り回るくらいワクワクして、歌い出すくらい嬉しくて、おいしいときは部屋を3周して喜んでくれる。
(外ではできるだけ我慢しているものね。)


キミが幸せなら、いいよね。

怒らないようにしよう…



と何度思っても、怒ってしまう母。
同じか…😅



(いや、マジ、片付けはしてくれ。)





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自己紹介

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高齢出産一人っ子育児中のアラフィフたんたぬ。不運な転職数回後、司書に落ち着く。夫たぬ吉、中高一貫校の息子タン太(現在中学2年生)と3人で築50年以上の平屋暮らし。節約はエコ。人生はそう悪くもないなと、最近思う。

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